2010/01/31

考えることの放棄

先日、時間はかかったが、自ら考えてようやく「普通の練習量」を確保することができた
他律的で自分たちの基準が低いチームだったが、ようやく自律的で基準が高いチームに成長する気配を感じることができた
互いに励ましあい、声を掛け合うチームに変わる気配を感じた
どうやったらやれるかを考える気配を感じた

ようやくチームがスタート地点に立ったんだと思った

でも

考えることを放棄して、再びやらされるチームに戻った
ただ言われたことだけをこなすチームに戻った
言われなければ何も感じないチームに戻った
互いに励ましたり声を掛け合ったりすることのない自分だけの世界に閉じこもるチームに戻った
やらない理由、やれない理由を考えるチームに戻った

だから怒った
ただ腕立てができてなかっから怒ったわけではない

言われても何も感じないチーム
言われたら反感を持つチーム
言われたら逃げるチーム
言われたら黙るチーム

2010/01/30

「ドラえもんのポケット」と「高い壁」

スポーツ指導論の授業で、
指導者の役割とは「プレーヤー自身がなりたい自分になるための支援をすること」と教えている

新チームが動きだした現在の私の指導は「支援」する活動が多い

でも、チームにとって
支援するほうがいいのか?
高い壁になり乗り越えることを要求するほうがいいのか?
ということをよく考える

支援することが弱さになり、壁になることが強さを作る場合もあるから

ドラえもんのポケットから色んな道具を出してもらって支援を受けるのび太は本当に成長しているんだろうか

私は、GREEN LINERSで活動する学生が
自分に基準を持ち、自分で考え、自分で判断し、自信をもって行動できる人間に育ってほしいと願っている

だから
知らないこと、できないことはティーチングで教える
知っていること、できることはコーチングで引き出す

ドラえもんになったり、ジャイアンになったり
コーチって大変

2010/01/29

JISS科学サポート合同セミナー

今日はJISS(国立スポーツ科学センター)が各競技団体に対して実施している科学サポートのセミナーに参加した
健康・スポーツ科学科から渡邊教授、田嶋准教授も一緒に参加

この3年間くらいの間、JISSへは
コーチと一緒に映像サポートのセミナーへ出てみたり
指導者養成の研修会へ出てみたり
いろんな人と出会い、いろんな刺激を受けて来た

刺激を受けた帰りの新幹線の中では、それらをどうやったら実現できるかの案を考える
SportsCodeを使ったスカウティングのサポートも根源はJISSからの刺激だった

今日も幾つかのヒントが転がっていた

今回のキーワードの一つは「リカバリーセンター」
高強度、高ボリュームの練習を長期間継続するためには、日々のリカバリーがどうしても必要
温浴(40~42℃)と冷浴(10℃)を5〜10セット交互に繰り返す「交代浴(最後は冷浴)」で自律神経が活性化され疲労が取れやすくなるとのこと
適時かつ適切な水分補給や食事、マッサージもリカバリーには不可欠

有恒会館のお風呂を改装する案
近くのスパ銭湯と提携して1回100円で入れてもらう案
西門の前に食堂を建てる案
有恒会館の2階食堂に調理師を入れる案
空想はどんどん広がっていく

とりあえず、空想が現実になるにはまだまだ時間がかかる
だから、みんなは各自で工夫しよう
シャワーだけでは「汚れは落ちるが疲れは落ちない」
「食いざまは生きざま」がつがつ食べるやつはがつがつ練習する

みんな、勝つために
いろんなことを考えて
いろんなことを工夫して
結果を出そうともがいている
でも、楽しんでいる

帰りは東海道新幹線の事故で電車がストップ
ごった返す東京駅、切符を買うのにも長蛇の列、改札は通過できないくらいの人ごみ、ホームへの階段には座り込んで時間を待つ人、自由席は人の山
しかし、グリーン車に忍び込んだら、そこはパラダイス
追加料金を支払って三人ゆったり帰阪できました

2010/01/28

ポジティブな練習

ポイントガードに関する英文記事を訳していることは前に触れた(2010年1月24日日曜日記事)

その中に、おもしろいことがいっぱい書いてある

その一つに
「ひとりのプレーヤーが、1分間に2回ポジティブな声を出せば、2時間の練習で120回のポジティブ発言になる
これを部員全体が練習でも試合でも行えばどんなことが起こるか想像してごらん」

というのがあった
そして「仲間に声をかける時には必ず名前を呼ぶ」

練習中や試合中には、仲間の行動を注意したり、修正したら、要求したり、指示したり・・・
いろんな声を出す
それは絶対に必要だし、勝つためにはなくてはならない声だと思う

でもそれだけだと、練習や試合はつらく、苦しく、厳しく、ぎすぎすしたものになる

1分間に2回はポジティブ発言!
これって楽しそう 
ポジティブな言葉だけでなく、ポジティブな態度、表情、熱意、魂・・・

楽しみについても以前に触れた(2010年1月20日水曜日)
出し切ったり、やりきったりする練習って絶対に楽しいと思う

今日の練習はようやくその楽しさが見えて来た

主観的・心理的限界

人は、それぞれが自分の限界を自分で設定している
でも、その人の本当の限界って、もっと先にある

コーチの役割っていうのは
プレーヤーが自分で設定してしまっている自分の限界を
あなたの限界はもっと先にあるんだよって伝えること
そして、その先の未来に連れていくこと

その時に、
「無理! その先には絶対行けない」って思うか
「だったら、行ってみよう」って思うか

で、未来は分かれる

人は弱い
だから支える人が必要になる

主観的・心理的な限界と、本当の客観的・身体的な限界とは絶対に違うんだ

だから、超えろ!

2010/01/26

走る

今は「走力」をアップさせたい

走力をアップさせるために
あらためて「強度」と「量」を考えてみる

強度は「速度」
量は「距離、時間」

「ロングジョック」→「追い越し走」
という流れで進んで来た
一般的な持久力の向上を目的とするために
呼吸・循環系に負荷をかけている

ここで一気に「スプリント(短距離走)」に入ってしまうと
強度が一気に上がることになり
突然エキセントリックに引き延ばされる筋肉は悲鳴を上げる

自分の持っている最大速度で短距離を走りきるスプリントというよりも
少し最大速度よりも低いが、インターバル的に負荷を連続してかけて
呼吸・循環系をさらに強く刺激する手段の量を多くして欲しい

砂浜などでのダッシュ等で筋系に負荷をかけることも
下半身の粘りを生み出す

筋力トレーニングも同時並行で進んでいる
焦らずに、じっくりと

土台が小さなままピラミッドを積み上げようとしても結局は弱く倒れてしまう

8週目が過ぎて3月に入れば思いっきりスプリントやジャンプができる体になっているはず
土台が大きなピラミッドは必ず天高くそびえ立つ

2010/01/24

ガードの仕事ってなに?

今、Winning Hoopという洋雑誌の特集の中にあるポイントガードについての記事を訳す作業をしている

これまで、自分も、その時々に応じてポイントガードにいろんな要求をしてきた
でも、正確にポイントガードの役割というものを整理して言語化したことはなかった
言語化できていなかったから、再現性がなかった

ポイントガード自身も、自分の役割とは何かを正確に言語化することはできていなかった
他のポジションのプレーヤーも、ポイントガードに何を期待するかを正確に言語化することはできていなかった

この洋雑誌の特集記事はなかなかおもしろい
Point Guardはon the court の「General」なんだそうです
Generalって「将軍」
じゃあ、ショウは文字通り将軍様? 

ポイントガーが変わればチームが変わる
チームが変われば結果が変わる
結果が変わればみんなが幸せになる

みんなが幸せになるための小さな一歩を
1人ずつ、1つずつ、少しずつ

時間の見える化

成功のために一番大事なことは時間の使い方だと思う

24時間は誰にでも平等に与えられている

でも、自分が時間をどう使っているのかなんて、案外考えていないことの方が多い

世の中は本当に進歩していて、WEB上のカレンダーを使えば、いとも簡単に「時間が見える」ようになり、かつそれを「共有」できるようになる

先週からgoogleカレンダーの機能を活用し、
どんな練習をしようとしたのか(計画)、
どんな練習をしたのか(実施の記録)
が目に見えるようになる仕掛けを作った

練習計画を立案する上級生にとっては、その日暮らしの行き当たりばったりの考えにならずに、
少なくとも1週間を「視覚的」に「面」で捉えながら
どの日に、何を、どれだけの時間配分するかを準備する環境が整った

練習に参加する下級生にとっては、事前にある程度の予定がわかるので、練習に臨むための心と体の準備がしやすくなり、
先が見えることは、「今その瞬間」に力を出し切ることにつながるはずだ

そしてなによりも、計画だけでなく実施についても記録できるようにしたことで、
計画と実施が隣に並んで目に見えるようになったため、
今まで「計画しっぱなし」で、実際に何を、どのくらいやったのかを十分に確認しないまま
その日その日を一生懸命に過ごして来た習慣がきっと変わるはずだ

しかし、仕組みを整えたことはただの出発点であり、ゴールでもなんでもない
計画や実施を記録することはただの手段であり
本当の目的は、練習の成果を積み重ねて強いチームを創り上げること

使い方に慣れ、使い方に工夫を加え、
事前の準備をもっともっと現実的・具体的に行い、全員が練習の課題を明確にもったうえでコートに臨む習慣を作り
最中の工夫をもっともっとこだわって行い、全員が課題を達成するためにコートでどんどん工夫する習慣を作り
事後の反省をもっともっと確実に行い、全員が課題をどれだけ達成できたのかを評価する習慣を作り

本当に強いチームに育って欲しい

2010/01/22

「質」ってなんだ?

練習の負荷は大きく「強度」と「量」に分けられる

強度は英語でintensity
量は英語でquantity あるいは volume

二つの要素は相反する概念
だから両方を高めるのは無理がある
強度の高さを要求するなら、量は減らさざるをえない
量の多さを要求するなら、強度を落とさざるをえない
短期的に両方を高めることはできるが、長期的に続けると必ず壊れる

強度は言葉を換えると「走るスピード」「切り替えの速さ」「挙げる重さ」「挙げる速度」「短時間に発揮する力の大きさ」など・・・
量は言葉を換えると「負荷の長さ」「かけた時間」「走った総距離」「セット数」「回数の多さ」「挙げた総挙上重量」など・・・

質は英語でquality
質は言葉を換えると「細部へのこだわり」「徹底度」「求める負荷の徹底度」「タイミング」「リズム」「スペーシング」「正確性」など・・・
さらに言葉を変えるなら「その練習をどうやるか?」ということ

質は数字では評価しづらいもの
数字で評価しやすい強度や量とは異なる概念

だから、強度も、量も、質とはぶつからない
どちらでも常に質の高さは要求される
相反することはない
逆にいえば、質だけを取り出した練習はないということ

「質=動きの正確性」と狭く考えてしまうと
質を要求する練習は「ゆっくりとした動きで・・・」「要素に分解した動きで・・・」となる
だから、「速い動きの練習は質が低くていいんだ」「強い動きの練習は質が低くていいんだ」となる

あるいは負荷の要素を「質」と「量」と「強度」の3つに分けて考えてしまうと
「今は量の練習だから質は低くていいんだ」「今は質の練習だから強度は低くていいんだ」「今は強度の練習だから質は低くていいんだ」となる

どれも私が求める考え方ではない


強い練習をしようが、弱い練習をしようが
多い練習をしようが、少ない練習をしようが
質が高くなければ意味がない

そして、それを徹底して追求するのが上級生であり、幹部の責任である

禅問答みたいになってしまうが
質を求めるということは一体どういうことなんだろうか
それぞれが考えたらいい 工夫したらいい 

2010/01/21

5時半のお弁当

1時間目の試験監督から始まり
一日中何かに追われていた

お昼のお弁当を食べていないことに気がついたのが5時半

ゆっくりと食べる暇もなく次は実習のガイダンスへ・・・

こんな日がたまにある

へとへとになったあと体育館へ顔を出したら、柔軟性トレーニングの最中だった
バレーコートのネットを越えようとして研究室へ戻った

雑誌プレジデントにこんなことが書いてある
「ひとに仕事を任せる時は、自分のこだわりを棚上げする割り切りも大切
 任せた仕事にこだわりを発揮すべきは、自分ではなく相手のほう
 自分のこだわりを押し付けると、相手は振られた仕事に楽しみを見いだせず
 やらされた感が増す」

 コーチが学生達の柔軟性を改善する工夫をしている
 コーチの熱意と意図が学生に伝わりはじめている
 学生の柔軟性もきっと改善されるだろう

 そしたら怪我も減り、動きもきっとダイナミックになっていく

明日はお昼にお弁当を食べたいなぁ

2010/01/20

2種類の楽しみ方

トレーニング期の練習はしんどい
苦しいのことの繰り返し
同じことの繰り返し
身体も心も痛くなる

でも、練習は楽しいほうがいいにきまってる

そのための方法は2つある
1)楽しいことをする方法
2)やっていることを楽しむ方法

1をどんなに追い求めても強くはならない
1の先にあるのはレクリエーション
1の先にあるのはリラクゼーション

2を追い求めることは「越える」ことでもある
苦しい練習メニューを楽しい練習メニューに置き換えるのではなく
苦しい練習メニューをやりきること、出し切ること、昨日の自分を超えることを楽しみにできるアスリートに育ってほしい

プレジデントという雑誌には
「仕事は選べないが、仕事のやり方は選べる」と書いてあった
競技スポーツをしている限り、苦しい練習から逃げ出すことはできないと思う
だったら、苦しい練習の楽しみ方を身につけるしかない

水泳部の監督は50m80本というような強烈なインターバルを課すこともあると言っていた
30秒の運動を80本繰り替えした先には何が待っているんだろうか
超えたことが自信になると水泳の平井コーチも言っていた

非科学の科学というか温故知新というか

楽しいことを探さずに、今やっていることを楽しむ方法を探してほしいと思う
そしたら、今年のチームは絶対に強くなる
身体も心も強くなる

伝えることは難しい

新チームがスタートし、学生達に伝えたいことはいっぱい
でも、伝えたいことは伝わらずに
伝わらなくてもよいことは、案外真剣に受け止めていたり・・・

チームへ関わる年数が増えれば増えるほど、伝わるものが多くなるんだと思っていたら
実は、年数が増えれば増えるほど、伝えたつもりになっていることの方が多くなり
結果的に、伝わらなくなってくる

チームに関わり始めて、最初は一から全て一緒に創っていく感じだったものが、
だんだんと、既に出来上がっていることを引き継いでいくことになっている

こちらは遠慮せずにどんどん変わっていって欲しいと思っているものも
学生は変えることを遠慮したり、不安がったり、抵抗をもっていたりしている

最初は、わかっていないことを前提に話をしているから案外伝わったものが
わかっていることを前提に話をするようになるから伝わらなかったり、伝えた気になっていたりする
そして、なんで伝わらないんだってイライラしてくる

伝えることは本当に難しい

2010/01/19

ブログ始めました

昨日と一昨日 水泳の平井コーチとご一緒する機会がありました
平井コーチもブロガーでした

コーチは案外孤独なもの
自分の感性があり、その感性を大切にしながら、何かを追い求めている

平井コーチも坂の上の雲の読者だった

ブログのタイトルは「坂の上の夢」

夢の実現を目指して、坂を上っていきたい

目に見える問題に対応することと目に見えない問題に対応すること

問題解決型思考では 目標を明確に設定し 現状を正確に評価したら 問題は眼前に立ち現れてくる と表現する なので問題は「目標値と現在値との差」と定義することができる ということは 問題には ①「あるべき状態を達成しようと取り組んだが悪い結果になってしまった問題」 ②「あるべき状態を...