2010/03/31

コーチングとティーチング

知らないこと、できないことを教えるのはティーチング
知っていること、できることを引き出すのはコーチング

知っているのに、できるのに出さない、表現しないプレーヤーには
コーチングできない

自分たちの中にあるものをすべて出し切って
それでも足りないもの、それでは間違っているもの
それを指導するのが大学のコーチの役割
小学生や中学生の指導とは違う

ぞうきんを絞りきるように
持っているものを全て出し切れ!
もっともっと自立しろ

2010/03/30

「正しさ」と「強さ」

バスケットボールはジャンケンのようなもの
相手が
グーならパー
パーならチョキ
チョキならグー
を出せば良い 
基本的には後だしジャンケンに近い感覚
これが正しさの強さ

でも、
相手がチョキだと思ってグーを出したら
そのグーを切ってしまうチョキ
相手がパーだと思ってチョキを出したら
そのチョキでは切れないパー
相手がグーだと思ってパーを出したら
そのパーを突き抜いてしまうグー
達に出会うことがある
「うそー!」「えー!」「そんなのあり!」って感覚
これも強さの一つ 

強いチームにはそんなスーパーグーやスーパーチョキやスーパーパーがいる
1人だけならまだしも、2人や3人もいる時がある

正しさは確率を高める アベレージが高くなる 失敗が少なくなる 波が小さくなる
でも、正しさの先に必ずしも強さがあるとは限らない
だからバスケットボールは難しい
だからバスケットボールは楽しい

2010/03/29

原理・原則・優先順位

原理principle:基本的な法則(こうしたら〜こうなる)
原則general rule:基本的なきまり・約束事・ルール(こんなときは〜こうする)
優先順位priority:大切にする順番(こんな順番で〜する)

例えば
トレーニングの原理:変わることがないもの
可逆性の原理:トレーニングをやめたら元にもどる
過負荷の原理:日常生活よりも高い負荷でトレーニングしないと向上しない
特異性の原理:トレーニングの効果はトレーニングした部位や動作に現れる
トレーニングの原則:必ず守らなければならない約束
漸進性の原則:徐々に強く
全面性の原則:前進まんべんなく
個別性の原則:一人ひとりに応じて
意識性の原則:目的を理解して
継続性の原則:続けて
トレーニングの優先順位:価値観によって変わるもの
弱みの補強
強みの増強

じゃあバスケットボールの
攻撃の原理は?(こうなったら〜こうなる):変わることがないもの
攻撃の原則は?(こういうときは〜こうする):必ず守らなければならない約束
攻撃の優先順位は?(〜から〜する):武庫川の色を出すために

武庫川女子大学のプレーブックをきちんと作ろう

2010/03/28

追い込み漁

中学生大会2日目
梁瀬中学校が優勝
そのディフェンスは、まるで追い込み漁のよう
5人が協力して逃げ回るボールを
囲い込んで、追い込んで、わなをしかけて・・・
奪い取る!

本当に見ていておもしろかった
5人が一つの生き物のように連動して動くさまは
小学生が一人混じっているとは思えない

大学生達
もっともっと連携・連動して動くことを身につけよう!

2010/03/27

原点

中学生大会を今年も実施
3月現在で中学2年生の生徒から
今度中学に上がる小学6年生まで

170cmを越える生徒から
140cm台の生徒まで

ミニバスケットボールを経験している生徒から
中学校でバスケットボールを始めた生徒まで

いろんな子供たちがバスケットボールに夢中

全国大会出場経験を持つコーチから
指導を始めたばっかりのコーチまで

いろんなコーチがバスケットボールに夢中

それだけバスケットボールには魅力がいっぱいなんだと思う
だから日本でこれだけバスケットボールが盛んなんだと思う
でも世界で勝てないのはなんでだろうとも思う

2010/03/26

価値観を変える

「言われた『こと』をやること」が大切だと考えていたプレーヤーが

「言われてないことでも『必要だと思えばやる』こと」
「言われた『結果』になるように方法を工夫すること」
「言われたことから『ということはこの場合はこうすればいいんだ』と推察すること」
「言われたことは『本当にそうなのか?』って疑ってみること」
「言われたことを『敵の立場になって検証してみる』こと」
が大切なんだと考えるプレーヤーに成長すること

そんなことが本当は大切なんだと思う
ヒトの性格は変わらない
でも、価値観は変わる 変えられる 変えなきゃ結果は変わらない

2010/03/25

プレーヤーが練習中に出す声ってどんなものがあるか?
指示する声
質問する声
応答(返事)する声
激励する声
プレー上の約束の声
・・・・

コーチの声しか聞こえない練習
プレーヤーの声しか聞こえない練習

どっちも不十分
活気がある練習にしよう

2010/03/21

コーチングと研究

2日間日本スポーツ方法学会大会で東京へ出かけてきた
この学会は名称を日本コーチング学会へ名称を変更する

「スポーツ指導の実践をどう研究にしていくか」
についての議論がさまざまなスポーツに関わる学会で模索されている

GREEN LINERSでの取り組みを
実践的研究として、コーチング学という土俵に乗せていく必要がある

2010/03/19

相手になる

攻めている時は守っている人に
守っている時は攻めている人に
なりきる

この力って大事

相手になりきることができれば
相手の考えていることも
相手がやろうとしていることも
手に取るようにわかる

だから先手が取れる
だからだますことができる

バスケットボールは相手のあるスポーツ
だから、自分の体を操作する力だけでは不十分

攻防練習の中で
もっともっと相手の心や頭の中に入り込む訓練をしよう

2010/03/18

メンタルスキル

プレーをしていると
うまくいってコーチからポジティブフィードバックを受けることがある
「Yes!」って

でも、競技スポーツを本気で突き詰めていくと
うまくいかなくてコーチからネガティブフィードバックを受けることがある
いや、ネガティブフィードバックを受けることの方が多いのかもしれない
「No!」って

そんな時に
どう受け止めるのか
どう気持を切り替えていくのか
ネガティブになった気持をどうやってポジティブな気持に切り替えていくのか

そんなメンタルスキルが最近つくづく大切なんだなあと感じる

本当は
ポジティブでもネガティブでもない
平静な心の状態(これが平常心と言われるものなんだろう)
が理想なんだろうけど
そんなに簡単にはトップの境地にたどり着くことはできない

プレーを注意されているだけで人間を否定されているわけではない
って割り切って、心の状態を整えるメンタルスキルを身につけよう!

ピンクのシャツ着て練習でてきたら
きっとみんなポジティブになれそう

2010/03/17

檻のなか

檻の中にいれば
餌を与えてもらえる
天敵から身を守ってもらえる
少し我慢すれば小さな自由を保つことができる

檻の外に出れば
餌を自分で確保しなければならない
天敵から自分で身を守らなければならない
でも自由がある

2010/03/16

感じる力

コーチはプレーヤーの
言葉を聴く
表情の変化を観る

そして
言葉の背後にある想い
表情の変化の背後にある想い
を読む

プレーヤーを観察するということは
「よく見る」ことを超えて
「よく感じる」こと

2010/03/15

反比例するもの

スタートの平均身長と走力
スタートの平均身長と守る力
攻撃力と防御力
人間的な誠実さと相手をだます力
発想の豊かさと発した言葉に対する責任感
入学時の初期レベルと卒業までの伸び率
管理されてきた度合いと自分で工夫する力
セットオフェンスの度合いとフリーで動く決断力

2010/03/14

第1次合宿終了

新入生も加えた1週間の合宿が終了

昨年までのチームに新しい戦力をどんな形で組み込んでいくのが良いのか模索が始まった

当然、ポジション内での競争が激化する
ポジションの変更も発生する

P.F.ドラッカーの『マネジメント』には
「独占的な供給者の業績は、力のある競争相手がいる場合よりも劣ることが多い」
とある

競争が生まれることで個々のプレーヤーの能力は必ず向上する
個々の力が向上すればチームの力も向上する

全ての人が「Aチームでユニフォームを着て試合に出る」という目標を達成することはできない
でも、その競争こそがチームの競技力を高めていく

ブログのタイトルにもあるように
坂の上の夢を追いかけてどこまで登り続けることができるか

2010/03/12

3つの椅子

2005シーズンから2009シーズンまでの5年間
監督と2人のコーチという3人体制でスタッフを組織化していた

2010シーズンの始まりに合わせて
これまでチームを手伝ってくれていたコーチがチームを離れ
実業団のコーチングスタッフへと巣立っていった

マリンスポーツ実習から帰った練習場では
いつもセットされていた3つの椅子が2つになっていた

4月から入学してくる新入生もチームに加わり
3年生がいつのまにか4年生になっていた

組織には新陳代謝が必要なんだと思う
人が巣立ち
また新しい人が仲間に加わっていく
そうやってGREEN LINERSの新しい歴史が積み重なっていく

2010/03/11

「管理」と「自律」

沖縄マリンスポーツ実習が終了
この実習を通じて学生を育てることの難しさを痛感した

学生を「管理」すればするほど
学生は「こども」になる

「公の場」と「私の場」が区別できない
「自分の行動が他者へ与える影響」を考慮できない
「他者への配慮」「他者への心配り」ができない
「ルールを守ること」「マナーを守ること」ができない

一人の大人としての自律した姿を望みながら
結果的には「厳しく管理」してしまっている

「管理しなくて済むように自己責任を厳しく教育する」
方向へ舵を切り
権限と責任を持たせ
リーダーを育てる方法を工夫していこう

2010/03/10

ちゅら海

沖縄と言えばちゅら海水族館

巨大な水槽
巨大なジンベイザメ

とにかくでかい
とにかく食べる

GREEN LINERSのプレーヤーも、これくらいの存在感を示してくれたらいいなあ

2010/03/09

自然

沖縄2日目
雨,風,波・・・
沖縄らしさがない
関西も冷え込んでいるらしい

自然はコントロールできない
人間の予定なんてまったくおかまいなく
晴れたり,曇ったり,雨降ったり,風吹いたり

だから自然
そのありのままの自然を楽しむ

2010/03/08

雨の沖縄

マリンスポーツ実習で
沖縄北部 JALプライベートリゾート・オクマに到着
初日はあいにくの雨模様
プログラムを急遽変更し対応

それでもスノーケリングでは珊瑚やクマノミに出会えたり
丘の上でのウインドサーフィン講習でイメージをつかんだり
夜の講義では明日の体験ダイビングに向けての講習に臨んだり
充実した実習がスタートした

111名の学生が集団で動く
いろんなことが起こる

帰る頃には一回り成長しているが見られるだろう

2010/03/07

実践と研究

スポーツ運動学会も二日目
「できない」人を「できる」へ
「下手な」人を「上手い」へ
運動を「発生」させたり「修正」したりする研究報告に耳を傾けた

発表された運動の発生や修正は
現場の指導者が日々格闘しているコーチングの実践を
研究者という立場から報告したもの

実践が研究として成立するためには
1)指導前の状態を映像で撮影(pre)
2)指導実践
3)指導後の状態を映像で撮影(post)
の手順が明快であり
4)指導者がどんな言葉がけをしたのか
5)指導者がどんな意図でどんな補助的運動を使ったのか
6)学習者にどんな感じの変化がおこったのか
が明確に記録/記述されていることが必要

多くのコーチが日々格闘しているコーチング実践では
1)の手続きをしていないことが多く
4)〜6)の手続きも正確に記録していいことが多い

だから、毎日毎日動きを発生させたり修正したりを繰り返している
多くのコーチの実践は研究として日の目を見ない
勝負という切迫性の中で、研究者の手続きに十分な時間を割くことができていないから

それでも、コーチは動きが変わる学習者を前に
達成感を持ちコーチングに対するモチベーションを高く維持している

実践と研究の両立ってなかなか難しい
今年は新入生の個人技術を全部映像に納めておこうかな

2010/03/06

「動感化能力」

地元三宮での開催に加え、日本におけるスポーツ運動学の祖である金子明友先生の講演もあったので、久しぶりにスポーツ運動学会大会へ出かけてきた

『運動ができない人をどうやったらできるようにすることができるのか?』

がこの学会の命題である

外から見た形
外から見た速度
外から見た角度
できている人とできていない人の違い

を「正確」に伝えたら、できるようになる人もいる

でも、それではできるようにならない人もいる

「そうやろうとしている」のに「そうできない」
という苦しい当事者の主観に共感しながら

「動感:できるときの運動の感じ」をどう伝えて
動きを発生させていけばいいのか

いろんな現場の人たちの声が聞けてとても楽しかった
明日も二日目の一般発表で、いろんな人の試行錯誤に耳を傾けよう

2010/03/05

摩擦

チームが成長するために摩擦が必要な時がある
1)上級生と下級生との摩擦
2)同学年同士の摩擦
3)スタッフと学生との摩擦

人の集まりなんだから
摩擦が起こるほうが自然
摩擦が起きないほうが不自然

摩擦が起きないのは
みのがしたり、みすごしたり、見ぬふりをしたり、自分を守ったり、妥協したり、あきらめたり

するから

摩擦が起きないチームは絶対に強くならない
大切なことは摩擦を起こすほうも、摩擦を起こさせたほうも
その摩擦から何かを学んで変わっていくこと

そうすればチームは必ず強くなる

2010/03/04

ガニ股根絶宣言

ピボットは簡単なようで意外に難しい
特に、リバースピボットが難しい

それは「軸足の内旋」が難しいから
ツイストをやっても「外旋」の動きよりも「内旋」の動きの方が難しい

ピボット動作にガニ股が入ると
軸足が次に進みたい方向とは全然違う方向を向くことになる

バスケットボールに
ガニ股は似合わない
ガニ股はかっこわるい

鏡を見直して
ビデオを見直して
自分の足の向きを見直して
ガニ股プレーヤーを根絶しよう

2010/03/03

ドリルとゲームを繋ぐもの

練習は全てゲームのリハーサルである
しかし、練習にはゲーム以外のドリルがいっぱい含まれている

相手がついている対人的なもの
相手がついていないから動きのもの
5人のものから1人のものまで

相手がついていない練習の時に
どれだけ相手がいる具体的な場面のイメージを持てるかどうか
それが「想像力」

うまくなれるかなれないかの境目はこの辺りにある

ドリルの名人になってもゲームでは活躍できない
ただ汗をかいてるだけでも脂肪は落とせるがシュートを決めることはできない

もっともっと、全ての練習で想像力を働かせ
ゲームのリハーサルをしよう

2010/03/02

30分が90分に変身

チーム練習を長くやり抜く
コーチにはやりきった満足感が残る
でもプレーヤーには疲労感が残る
げっぷが出る
膨満感が残る

チーム練習を適切な長さで終わる
コーチには少し未練が残る
でもプレーヤーには元気が残る
腹八分だからもう少し食べたくなる
食欲が増す

チーム練習を30分長く引き伸ばすと
結果的に余力がなくなり個人練習は生まれない

チーム練習を30分早く切り上げると
結果的に個人練習が90分生れる

ということは損得勘定すると
チーム練習を30分早く切り上げることで
結果的に60分余分に練習量を確保できることになる

プレーヤーの動きが変わるのは
個人練習の中であることが多い
時間をかけた試行錯誤の結果
自分の感覚と動きの結果のずれが埋められていくから

プレーヤーの動きが定着するのは
個人練習の中であることが多い
時間をかけた反復練習の結果
動きが自動化されていくから

今年のチームが本当に強くなれるかどうかは
個人練習の質と量にかかっていると思う

とういことは
コーチがプレーヤーの自主性、主体性を本当に信じることができるのか?
が今年の鍵なんだと感じる

2010/03/01

良い動きをできるだけ早い年齢で

今日は高校2年生のリクルートのために
その学校の卒業生部員をつれて高校へ出かけた

171cmで身体も強い

チームではインサイドだから3Pointはまだまだ

それでも良い動きを見せると
『イメージがわかった』と言ってどんどん動きが変わっていく
ワンハンドシュートもきれいに改善された
パス、ドリブル、柔軟性、いろんなチェックをほぼクリア
年齢が早ければ早いほど、習得も修正も容易だなあと改めて思う

何よりも『明るい』
将来は2番になれるといいなぁと思う

目に見える問題に対応することと目に見えない問題に対応すること

問題解決型思考では 目標を明確に設定し 現状を正確に評価したら 問題は眼前に立ち現れてくる と表現する なので問題は「目標値と現在値との差」と定義することができる ということは 問題には ①「あるべき状態を達成しようと取り組んだが悪い結果になってしまった問題」 ②「あるべき状態を...