2012/05/27

27年前の遠い記憶

27年前の大学入試前夜。
2次試験の会場となる大学の総合体育館へ足を運んだ。

真っ暗な体育館に、1カ所だけ照明をつけ、浜田省吾のバラードを流しながら男子バスケットボール部のキャプテンが一人でシューティグしていた。
月バスに載っている写真を見た事がある人。
本当にかっこ良かった。夜中に一人で音楽をかけながらシューティングするなんていう文化は高校にはなかった。
ここで自分もバスケットボールができたらいいなぁって思った。

あれから27年。
今日、午前中の練習ゲームからの課題練習を終えて研究室に戻り仕事をしていたら、体育館から音が聞こえる。午前中からの長い拘束時間だったからみんな帰宅しているはず。
覗いてみると、あの夜と同じ光景。
わずかに一カ所の照明の下で、怪我をしてゲームに出れなかった1年生が一人でシューティングをしていた。

本来ならば、昨日と今日の練習ゲームで西日本に向けての最終調整をするはずだったプレーヤー。かわりに同級生が出場の機会を得、結果を出している。

まだ大学バスケットボールは始まったばかり。
自分自身の身体を自分自身で怪我なく整える事の大切さを学び、焦らずに、確実に力をつけていってくれたらいいなと思う。

もうすぐGREEN LINERSの西日本が開幕する。

2012/05/26

アクション? リアクション?

「じゃんけん」 で先にグーを出しておく。
相手がチョキを出してきたらそのまま変えない。相手がパーを出したらチョキに変える。
相手がグーを出してきたらパーに変える。
そうすれば、絶対に勝つ。


最初はグーを出すのがアクション。その後はリアクション。
バスケットボールをプレーするのもきっとこれと究極は同じなんだと思う。


相手が出すのを待ってから自分の手を決めるのはリアクションだけの行為。
バスケットボールでこれをやると、大抵は仕掛けられて後手に回る。


ディフェンス力が強いプレーヤーって案外、このリアクションタイプのプレーヤーが多い。
相手がやってくる事を一生懸命に必死に守る。根性あるし、気迫もあるから、身体をはって頑張っている姿は頼もしい。


しかし、バスケットボールは、やっぱり攻撃的にアクション→リアクションの順番でプレーできる方が楽しいと思う。ディフェンシブなプレーヤーがオフェンシブなプレーヤーに脱皮できるといいなぁ。

2012/05/24

全ては練習の結果

全関西が終わって、いくつかの課題を設定して取り組んできた。
西日本が近づいてきて、いよいよチームとしてのまとめに入っていく。

そんななかで、今日はふと、あれっ? なんか変だぞ!
って感じた。

よく観察してると、設定した課題に集中的に取り組んだ結果、それまであった要素がなくなっている事に気がついた。課題に取り組んだ結果、そこは良くなっているんだが、結果として逆に低下している要素が生まれているということ。そこで、元に戻すためのメニューを追加すると、結果的に少し復元されてきた。

「子供は育てたようにしか育たない」と良く言うが、改めてチームづくりも同じだなぁと思う。コーチは、毎日毎日全ての要素を練習できるわけではないので、その時々に応じて何かにフォーカスする。しかし、フォーカスするという事は、フィルターを作って現象を観ることでもある。結果的に、見えなくなるものが生まれる。フォーカスをすればするほど、逆に抜けている部分が大きくなっているということを忘れずに、先入観なく、ありのままの状態を観察することができたら、良くなっているところと悪くなっているところの両方が見えるんだろう。

良い事も悪い事も全て練習の結果。
そこに、コーチングの難しさと面白さがあるなぁと改めて思う。
「そうなっている責任は全てコーチにある」って自覚する事が必要。

2012/05/23

国体練習

毎週水曜日は18:00〜国体練習になる。
兵庫県に参加する学生と参加しない学生とに別れる。
私は会議日でコートに出れない場合が多い。

いずれの側も、「私の課題」をどう設定し、限られた時間と機会の中でどんな成果を出していくか。
それが課題になる。最も大切な資源は「時間」

2012/05/22

私の役割

いよいよ西日本まであと1週間となった。
これから、チームは試合モードへ。各自がコート上で「私の役割」を徹底することに意識を集中させることが大切になってくる。

各自には「強み」がある。それを最大限に活かすために自分は何を「やる」って決めるか、そして味方の強みを引き出し合うためにどうしたらいいかを互いに意識し合う。そうすればチームの力は個人の力の「かけ算」になる。

各自には「弱み」もある。それを絶対に見せないために自分は何を「やらない」って決めて徹底するかも大切なこと。そうすれば「引き算」にはならない。

残り1週間。
ここからが勝負だぁ。頑張ろう。

2012/05/18

「広げること」と「絞ること」

今日の練習は4年3人、3年3人、2年5人、1年6人。
上級生6人と下級生11人。バランスが悪い。

全関西の結果に何を足していくか?をやるんだが、それ以前の状態にも達していない1年生達を引き上げる作業を同時にやってるもんだから、とにかく厳しい練習が成立しない。「できること」よりも「できないこと」の方が多い状態。

西日本まではチーム全員に、全ての課題を同じように課しているから、全関西前のように「自分はこれだけをやってれば大丈夫」っていう感覚から程遠い混乱も発生している。

これでは「根気」以前に「集中」が問題になる。

しかし、今の時期に、使えるプレーヤーだけで、できるポジションだけで、できる技術だけでチームを作っても、ここから先チームは大化けしないと思う。だから、「広げること」と「絞ること」この狭間でこの二日間さまよっている。


明日からまた「フォーカス」し直しでチームの方向性と水準を高めなきゃいかん。

頭と身体

コーチは場面を頭で解決する。
プレーヤーは場面を身体で解決する。

解決策を思考するだけでいいコーチは、
解決策が身体に習慣づいていないプレーヤーに腹が立つ。

思考の生成は瞬時。
習慣の生成は千日。

やはり、反復・継続を待てるコーチの根気と、継続できるプレーヤーの根気の先にしか習慣化はないなぁ。
さて、今日も「運・鈍・根」

2012/05/16

初心禅心

本学に着任して10年目になる。
「こうなるはずだ」とか「これがベストだ」とか「これはおかしい」とか・・・、最近とみに自分が「独善的」や「意固地」や「独りよがり」になっているなぁって感じる場面が増えている。

10年間のトライ&エラーの蓄積が逆にフィルターになり、ありのままの現実が見えなくなっているのかもしれない。

本学で「講師」から「准教授」に肩書が変わるほどの長い時間を過ごしてきた。
これまで、一つの組織に所属した最長は6年。
それを思うと、長い。

経験は経験として蓄積しながらも、「初心禅心(zen mind beginner's mind)」に戻らなきゃいかんな。

そう思う。

2012/05/15

attack the hip と door open

2009年の夏に、元UCLA女子バスケットボール部の名プレーヤー(PG)だった Nicole Anderson がGREEN LINERSにやってきた。その時に、プレッシャーマンツーマンや1対1の強さを教わった。クリニック時のkey wordの一つに「attack the hip」と「door open」というのがあった。

ボール保持者がディフェンダーをドリブルで破るときに、相手をかわすのではなく相手の股関節(hip joint)を押し広げるようにコンタクトしながらディフェンスの足を下げさせる(door open)というもの。

改めてGREEN LINERSのプレーヤーの1対1を眺めていると、「弱いなぁ」って感じ、さらに眺めているとやっぱりディフェンスを「かわして」「よけて」ドリブルを始めている感じ。

attack the hipとdoor openを体現するには、それなりのフィジカルの強さが必要。
また、コンタクトを意識すると、今度は頭を突っ込んだり、ドリブルが体から大きく離れたり・・・と、技術的にもそう簡単にはうまくいかない。

何事も一朝一夕では無理。
やはり「運・鈍・根」

2012/05/14

Facebook Green Linersページ

Facebookに「武庫川女子大学バスケットボール部 Green Liners」のページを作りました。

武庫川女子大学バスケットボール部公式ホームページの方も継続しますが、Facebookの方が簡単で速報性、双方向性も高いので、今後は活用していきたいと思います。

「いいね」ボタンでの登録をよろしくお願いします!

2012/05/13

高校生と大学生

高校生プレーヤーと大学生プレーヤーの違いって何だろうか?
15~17歳が高校生。
18~21歳が大学生。

年を重ねただけの単なる年齢の違いだけではない何か。
それを身につけての欲しいと願う。

「進学」という1つの「決断」や「選択」の経験を経た先に生まれる
「自立」「自律」「主体性」・・・

2012/05/12

1年生の戦力化

春の合宿からここまでの1年生はお客さん状態。
一度高校時代に引退した後の、フィジカルレベルを戻すリハビリテーション期間。

全関西が終わり、大学というステージの相手のレベルも分かり、自分たちの位置づけも分かり、ようやく戦力になれるように這い上がっていく時期を迎えた。
大きな怪我の心配も今のところ消えて身体の状態は整ってきた。

今日と明日は高校生とのゲーム設定。
良い機会。
何がどこまでできるか?
確認しよう。

2012/05/11

「やったこと」と「やらなかったこと」

私は、
「やったこと」に対して怒ることはあまりない。
「やる」って決めて、あとは「どうやってやるか」「どうやったらやれるか」だけを考えるタイプなんだろう。「やらない理由」や「やれない理由」を考えるのは好かん。

だから、「やらなかったこと」に対しては無性に腹が立つ。

積極性はよい。
消極性はよくない。

ただし、考え抜いた結果「やらない」って積極的に決断してやらなかったことに対しては「よくやらなかった」って賞賛したい。

「無責任なやらない」と「積極的なやらない」は、天と地ほどに違うと思っている。

2012/05/10

共有

全関西が終わった。
4試合のビデオ映像から、アシスタントコーチが
1)速攻の成功例
2)ポストプレーの成功例
3)ドライブ後の成功例
4)全ターンオーバー集
を編集してくれた。

1)〜3)を見直すと、イメージも積極的になり、チームに勢いが出そう。
ただし、それを相手がどう止めにきそうか、それでも成功させるにはどう向上させるか? を考える必要がある。同じことが何回も成功するような甘い世界ではないから。

4)を見直すと、イメージが消極的になり、チームの勢いが止まりそう。頭を抱え込みたくなる(笑)
しかし、この全プレーの問題点を整理し、どう練習に落とし込んでいって、次は成功プレーに変えていくか? を考える必要がある。同じ失敗を何回も繰り返すことほどあほらしいことはないから。

そんなことを、ヘッドコーチやアシスタントコーチだけが考えてもチーム力は上がらないんだと思う。
学生に伝え、それを共有し、チーム全体が理解し、同じイメージを描き、トライさせ、エラーも見届けながら、同じ方向へチームが進んでいけるように訴えること。

それもヘッドコーチの仕事なんだろう。

2012/05/09

勘ピュータ

監督は何をどう判断し、プレーヤーを起用しているんだろうか?
そんなことを卒業研究の問題に据えた学生がいる。

誰を使う?
誰と使う?
いつ使う?
どんな場面で使う?
どうやって使う?

得点力、リバウンド力、アシスト力、スティール力・・・など、得点化すれば数値として現れる貢献度。
相性、性格、経験、期待・・・など、数値として現れない要因。

監督の考え。
コーチの考え。
プレーヤーの考え。
父兄の考え。

噛み合ないと不幸が起こる(笑)
でも、噛み合うと奇跡が起こる(笑)

無数の要素がうごめくコーチの頭の中の真実はスーパーコンピュータでも解析できない。
計算通りの時もあれば、想定外の時もある(笑)

コーチの頭は勘ピュータ!

2012/05/07

いつのまにか

例年、1月1日に自転車のトリップメーターを0kmに戻す。
自転車に乗るのはほぼ通勤のみ。片道6.7km。
毎年の目標は2,400km。
自己ベストは2,700km。

今日は5月7日。
200km/月が平均だから、今年は気がつくと予定よりも少し早いペースで乗っている。
これから、梅雨があったり、夏の合宿遠征や冬の雪があったりして、このままの比例計算では終わらない。

チームづくりに何となく似ていると思う。
新チーム最初の大会が終わったが、チームの本格的始動が1月だったことを考えると、トリップメーターと同じように1/3の時が過ぎている。

日々の片道25分の小さな積み重ねも、こうやって記録し続けていると大きな結果となって残っていることに気づくように、日々の練習の積み重ねも、記録しながら確認しながら進めば、いずれ大きな結果として残っていくんだろうと思う。

明日からまた再始動。
「運・鈍・根」

2012/05/06

敗者にはかならず事情がある

司馬遼太郎小説の入浴読書が続いている。
今は「城塞」。
その(上巻)旗頭に以下の文がある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
敗者にはかならず事情がある

勝つためのいくさであるのに、
勝つための戦さ立てをするについて、

勝つという目的とは無縁な「事情」で
膳立てをつくってゆく
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

GREEN LINERSにも「チームの勝利」という目的とは無縁の様々な事情がある。
「事情」から出発するといつも選択肢が狭められてしまう。
チームを預かる者として、様々な事情をどう扱っていくか?
すっきりさわやか明快にいきたい。

2012/05/05

弱者の心と強者の心

弱者は弱者の心が分かる。同じ立場に立ったことがあるから。
強者は弱者の心が分からない。同じ立場に立ったことがないから。
弱者は強者の心が分からない。その立場になったことがないから。
強者は強者の心が分からない。自分以外の立場を認めないから。

弱者を経験した強者になりたいと思う。

高校生の課題と大学生の課題

今日は体育館を高校生のゲームに貸出。
1日高校生の試合をWatchingしました。
様々なチームが試合をする中で、コーチの言葉を聴きながら、高校生のプレーを眺めた。

今シーズン最初の大会を終えたチームがこれから課題として集中的に取り組みたいと考えている「視野」と「緩急」。
高校生の段階でどのくらいできているんだろうか? って改めてwatchする。
今日は異なるチームであったが二人が合格点だと思った。

「視野」と「緩急」
これが、バスケットボールと出会った最初に身に付いたら、その後のプレーヤー人生がどのくらい豊かになるかを、改めて思う。

とにかく「力強く」
とにかく「速く」
とにかく「思いっきり」
とにかく「果敢に」

は「止まれない」や「変化できない」
あるいは「下には勝てるが上には勝てない」に行き着く。
その行き止まりを「視野」や「緩急」で抜け出したい。

2012/05/04

上達度と到達度

上達度は高かった(のかもしれない)
しかし一周遅れや二周遅れからのスタートでは到達度が低い。
過去は変えられない。
戦いは絶対値で勝負。
届いてない。
追いついてない。
だからまだ勝てない。

それが悔しい。

力が足らん。
技術が足らん。

選手を届かせるのがコーチの仕事。
一周遅れだろうが二周遅れだろうが、必死に頑張るプレーヤーをどうやって届かせるか。
しかし、今のままの成長速度でしか育てられないようなら追いつかん。
速度が上がらなきゃ届かん。

コーチが変わらなきゃ追いつかん。
コーチを変えなきゃ届かん。

2012/05/03

一人一人の小さな変化

今日は11人がコートに立った。
出場時間に長短はある。

しかし、今日コートに立った一人一人が、1点分必死で守り、1点分果敢に得点すれば、
失点は11点減り、得点は11点増える。
一人一人はたった±2点という小さな変化でも、
チームとして積み重なれば22点という大きな変化になって現れる。

今日の8点差。
これを一人一人が「私の問題」として捉え。
明日からまた頑張れ。

2012/05/02

結果管理と経過管理

結果管理では「どうなったか?」が問われる。
 成功か? 失敗か? 
経過管理では「何をしたか?」が問われる。
 何をやったか? 何をやらなかったか? 

失敗しない最大の方法は「何もしないこと」。
成功する最大の方法は「結果がでるまでやめないこと」。

スポーツでは結果が問われる。
上級生になればなるほど結果が問われる。

かつて「迷ったら○○するって決断しろ」って学生に伝えた時があった。
その学生は最後の大事な舞台で「やる」って決断をして見事に結果を出した。

スポーツだから結果が問われる。
上級生だから結果が問われる。

だからこそ「挑戦」しなきゃ。

坂の上の夢の声:#18 結果の成功確率を1%でも上げるために経過を考え決断していく!
Jun 22 • 13:35

2012/05/01

トラウマ研究

ゼミの指導教員として卒業論文作成にあたっては、いつも、「その問題が解決したら自分の競技力向上に役に立つような問題を設定しよう」って言っている。なんだかわかんない与えられた問題に向き合うよりも、どうせなら、自分の競技力向上と直結した問題を自ら設定した方が、モチベーションも上がるから。
その結果、いろんなクラブの学生が、それぞれ「自分の問題」「自分の疑問」に向き合ってゼミの2年間を過ごすことになる。指導する方は答えのない問題を学生と共に考えなければならないから、しんどさもあるが、頭の体操にもなり、新しい発見もあり、面白い時間が過ぎていく。

今年新しくゼミに入った3年生で「トラウマ研究」を始めそうなのがいる。
かつて高校時代に「◎●で試合に勝てなかった」ということが自分自身のトラウマとなり、同じような状況が発生すると、どうしてもフラッシュバックしてしまうらしい。
リクルートでその試合を直接観戦していた私としても、彼女が、その状況を非常に苦手にしているなぁってことは感じていたが、それを研究テーマにするとは思ってもいなかった。
それくらい、乗り越えたい過去なのかもしれない。研究課題をどう設定し、どんな方法を準備していけば、その問題の解決の糸口が見つかるか・・・これからの2年間がまた楽しくなった。

練習でも、日々その状況を設定し、解決に必要な心構えや技術や戦術を訓練している。
「また失敗しそう」が「なんとかなるかも」にかわり、いずれ「なんとかなりそう」から「やれる」へとたどり着き、「大丈夫!」って自信を持って言える日が早く来るといいなあ。

目に見える問題に対応することと目に見えない問題に対応すること

問題解決型思考では 目標を明確に設定し 現状を正確に評価したら 問題は眼前に立ち現れてくる と表現する なので問題は「目標値と現在値との差」と定義することができる ということは 問題には ①「あるべき状態を達成しようと取り組んだが悪い結果になってしまった問題」 ②「あるべき状態を...