2018/12/16

自ら動くプレイヤーを育てるために必要なこと

2018シーズンが終了した
「準備すれば戦える相手」と設定して臨んだ最終戦
まだまだこのチームにも自分自身にも伸び代が沢山あることがわかった

でも最後は本当にいいチームになった
学生たちが「自ら動く」チームになった


いつも大学のコーチング論やバスケットボールの指導者育成の講義で伝えていることがある

それは
コーチはみんな
外発的動機付け(やらされて動く)よりも内発的動機付け(自ら動く)の方がいいことを頭では理解している
そして内発的動機付けで動くプレイヤーになって欲しいと願ってもいる
ということ

絵にするとこんな感じ


でも現実にはそうならないから
アメとムチを使う外発的動機付けによってプレーヤーを操作する結果になってしまうことの方が圧倒的に多い

それがコーチングの現実
バイオレンスを伴った指導もこの矛盾の延長線上

23歳でコーチングに関わり始めた自分も例外ではなかった
頭では内発的にやって欲しいと思いながらも
自分の言葉や行動や態度は
プレイヤーを外発的にコントロールする方法になってしまっていた
内発的にと強く思えば思うほど
結果的にはより強く外発的にコントロールするか
もしくは放任になるかの両極端をいったりきたり……

ずっとそうだった


ではどうしたらいいのか?


この数年ずっと考えていた
外発的動機づけと内発的動機づけの「違い」については30年前に大学で教わったが
どうやったら内発的になるのかという「方法論」については誰も教えてくれなかった
聞いてなかっただけかもしれないけど……

とにかく
わからなかった

だから
コーチングの理想や理念と現実との狭間でずっと悩んでもいた

そんな中で出会ったのが
「プレイヤーの3つの基本的心理欲求を満たすことができれば内発的動機付けは高まる」
という考え方


それは
コーチがプレイヤーの
 有能さ(competence)
 自律感(Autonomy)
 関係性(Relatedness)
を満たす言葉と態度をとるというもの

難しいことではない
「できることを増やしていくこと」
「自分で決めていい権限や機会を与えること」
「なんでも本当のことを話せる関係でいること」
を心がければいいだけだった

そうしているうちに
チームは本当に明るくなった

それにはプレイヤーが本来持っている個性もあるんだと思う
それが単に表に出てきただけなんだろう

でも
抜けてたパーツが埋まった感じはする

そしたら
この3つはコーチング学で言われている「コーチが育てたい4C」
とほぼ同じものだった
いろんなものが繋がった


やっぱり
暗いよりは明るい方がいい
しかめっ面をして苦しんで修行や苦行のようにスポーツするよりは
思いっきり目を輝かせて自分を出し切ってスポーツした方がいい
それはいい意味でちゃんと訓練になっている

日本のスポーツ指導は変わらなければいけない
そう言われている
それでもバイオレンスを伴った指導は無くなっていない

それは
どこかでバイオレンスを
「必要悪」と捉えている部分があるから

「勝つためには……」
「厳しさのためには……」

成長の先にある勝利を目指すこと
明るさの先にある勝利を目指すこと

また2019シーズンの挑戦が始まる

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