Bチームの4年生で全十字靭帯断裂後の手術により,最後の大会にプレーヤーとして出場できなくなった学生がいる.
今日「学生コーチとして出場したい」という意思表示を聞いた.
100あったものが50や20に減ったり,全てを失って0になったりすることが人生には多々ある.
そんな時は,半分になってしまった50を嘆いたり,減った80を悲観したり,失った100に絶望したりすることがある.その時間が長ければ長いほど,後ろ向きなネガティブな生き方になる.
しかし,時が経ち,何かが減った代わりに増えた50に気がついたり,増えた80に可能性を見いだしたり,新しく生まれた100に希望を抱くことができたなら,そこから先は前を向いてポジティブに進んでいくことができる.
そして,そんな経験があったことすら忘れた頃にふと振り返ってみると,何かを失った経験は,逆に何かを得る経験になっていたことに気づく.
人生ってそんなことの繰り返しなんだろう.
コーチの仕事は怪我をさせないこと.
昨年はAチームの主力プレイヤーを最後のインカレの舞台に立たせあげることができなかった.
今年こそはと臨んだシーズンではあったが,Bチームで同じことが起こった.
まだ100%の仕事ができていない.
しかし,怪我によりコートを離れたプレイヤーを使い捨てにすることなく,怪我をすることによってしか学ぶことができないことに気づかせてあげる手伝いをすることもまたコーチの仕事なのかもしれないと思う.
「失ったものを数えるな,残っているものを最大限に生かせ」とかつての同僚が書き残したメモが今もモニタの隅に貼ってある.
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