技術・戦術の練習は
1) Mechanics practice
2) Repetition practice
3) Competitive practice
という段階を踏む。
1)をすっ飛ばして2)をいくらやっても身に付かない。
1)2)をすっ飛ばして3)をやっても今あるもので戦ってるだけで進歩がない。
最近思うのは、とにかく1)を徹底して指導しないと結果的に3)は上手く行かないという当たり前の事実。
1)の段階で、
「どんな動きが良い動きでどんな動きが悪い動きなのか」
「どうなっている状態が良い状態でどうなっている状態が悪い動きなのか」
が見てわかるようになり、次に、
「自分の動きは良い状態になっているのか悪い状態になっているのか」
「良い動きをするためのコツはなにか」「悪い動きをするためのコツはなにか」
等等を自分で観察したり表現できるようになれば、あとは2)の段階へ進んで反復練習する。
でも、ただ反復するだけだと鋳型化してゲームで使い物にならない技術になってしまうので、相手に応じて「表から裏」へ変化・分岐できるような技の組合せで反復していくことが大切なんだろう。
逸材で可能性があるんだけどなかなか上手くならない選手って、自分の頭で1)をきちんと考えたり、人の動きを観察したり、人の動きから盗んだりといった「自分で上手くなっていく」という態度が本質的に欠落している場合が多いのではないかと思う。「大きさ」「速さ」「強さ」等、人より秀でた部分の才能だけで戦ってきた学生は特にその傾向が強い。そんな学生は「試行錯誤」をしない。
1)の段階で大切なことは、良いと悪いの基準を学生自身が持つことだと思っている。コーチの中だけに基準があるのは「依存」でしかない。学生も「コーチがいなきゃダメ」と考えるし、コーチも「俺がいなきゃダメ」って考える結果「共依存」状態になる。
私は、スポーツの楽しさの一つは自分自身で工夫して上手くなっていくことにあると考えている。コーチにできることは自分自身で工夫して上手くなっていくためのヒントを与えることと、本人の試行錯誤をただ見守ること。
本当に上手くなるためのはじめの一歩は、自分自身で1)にこだわって自分の動きを変えること。そうして必要な技術を身につけていくこと。
関西女子学生バスケットボール連盟1部リーグ所属MWU LAVYS Basketball Teamのヘッドコーチが
大学日本一という夢の実現に向けて日々登り続ける坂道の記録
バスケットボールのコーチングを心・技術・戦術・体力の側面から深く追求していきます
『Podcastで聴くコーチングのヒント 坂の上の夢の声』というタイトルのポッドキャスト で声の配信も行っています!
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