「オシムの言葉」木村元彦、集英社インターナショナル、2005.
p. 16
○ 走る力、走ろうとする意志がなければ、いかに技術のある選手でも存在をアピールできなかった。
○ 選手が勝手にプレーを見切ることを嫌った。
○ とにかく止まるな、ボールを動かしてさらに自分も動け。
○ 監督の意図はわかるが、吐き気がするほど苦しい練習を課す。
p. 17
○3組に分けてのゲームを多用し、出番を待つ組には徹底して走り込みをさせた。
p. 18
○ 眼前のワークに集中するだけではなく、その意図も考えなくてはいけない。
○ 理解できていれば、やっては行けないことは何もなかった。
p. 19
○ むしろ相手のウラをかくための創意工夫をしないと練習は滞る。
p. 21
○ 近代サッカーにおいて走らない選手、足の遅い選手は、年齢に限らず、もはや使えない。
○ 彼は技術に問題はあった。しかし、気持ちが入って、走っていた。戦っていた。
p. 24
○ まず走り負けない。同じ90分の中で相手と自分たちのどちらが終盤になっても走っていられるか。そこでは絶対に負けないという自信。
○ 複数のポジションができる選手を発見する、あるいは作り上げることは急務でもあったが、戦いの流れの中で、それを成し遂げていった。
p. 28
○ ライオンに追われたウサギが逃げ出す時に、肉離れをしますか? 要は準備が足らないのです
p. 30
○ ディフェンスをタイトに固め、一旦ボールを奪うと鋭利にカンターを仕掛ける。まるで地面から人が湧き出てくるかのように2、3人と躊躇なく攻め上がっていく。一旦、攻撃が切れると素早くディフェンスに舞い戻る。攻守の切り替えは、瞬時にそしてスムーズに行われた。・・・・・・・フルコートでの3対3はこういう意図だったのか・・・
p. 33
○ この爽快感は何だ。・・・マイボールになってからの判断のスピードが、自分でも驚くほど速くなっていた。目的が明確ならどこまででも、いつまででも自分は走れる、労は厭わない。・・・サッカーは美しく、こんなにも楽しいものだったのか。
p. 122
○ サッカーとは戦術が一番だと思っている監督がいるかもしれない。しかし私はムービングこそが、最も重要だと思っている。
p. 188
○ 取ったらすぐにすぐ動き出す。取られたらすぐディフェンスをするというのは、練習で自然に身に付いた部分が大きいと思います。なんか速すぎて慌てちゃう部分もありますけど、それが当たり前のチームになって来た。
○ お前は確かに動いているけど、効率的かどうかはわからない。
p. 190
○ 黄色の集団は走り込みながら、パスコースを最低はふたつこしらえていた。
「オシムがまだ語っていないこと」原島由美子、朝日新書、2007.
p. 64
○ 最初にシステムありきでは本末転倒。むしろシステムがないことが、「ないというシステム」ともいえる。システムを固定しすぎて負けることもあれば、変えすぎて負けることもある。監督、選手とも、いろんな状況に即応できる力が必要だ。
p. 69
○ キーマンはいない。日本は誰かで成り立っているチームではない。要は勝てばいいので、誰が点を取ろうが関係ないだろう。選手がグラウンドに出て戦う。すべはそこから始まる。
p. 73
○ あなた方は、ラインから99%出てしまうボールであっても、あきらめず、泥だらけになって追う子供に育てましたか?
p. 84
○ 全員が動くことでスペースができる。前の選手がいた所へ、他の選手が入る。連動性を考えろ
○ つないで出して、自分で走ってもらい直せ、という監督のサッカー
○ ただ単に走ればいいわけじゃなない。誰かがスペースに走り込み、相手のディフェンダー1人を連れ出すような動きを考えて走れ。